「世界のクロサワとミフネ」展、鎌倉にて |
今年9月のヴェネツィア映画祭で、修復作品を対象とする「クラシック」部門の中で「7人の侍」が上映されたが、加えて新しいリメイクがまた同時に発表されたように、黒澤明監督は今でもなお、世界の多くの映画ファンや関係者に多くの影響を与え続けている。
そのきっかけとなったのは、1951年のヴェネツィア映画祭。「羅生門」が同映画祭で金獅子賞に輝き、主演のTOSHIRO MIFUNE とAKIRA KUROSAWA監督、そして日本の映画が世界に知られることになった。
その後、61年の「用心棒」では、三船が同じくヴェネツィア映画祭において、日本人初の主演男優賞、続けて65年に「赤ひげ」で再度同じ賞を受賞している。
鎌倉の、鶴岡八幡宮にほど近い川喜多映画記念館で現在、「世界のクロサワとミフネ」展が行われており、貴重な資料が多数、展示されている。そうして戦後の日本が、世界に堂々と打って出たその当時のポスターや写真。いくつかの台本や衣装デザイン。監督自らのスケッチがポスターになったという作品、そして「羅生門」に与えられた「金獅子」のトロフィー!!!
・・・ところが展示されているのは実はレプリカで、説明によると、本物はどこにあるかわからなくなっているという。残念なような、レプリカが残っているだけでもよかったというべきなような。
この展示に合わせ、期間中の10月〜2017年1月の間に、クロサワ・ミフネ関連全16本の映画を、同じ会場にて随時上映中。
鎌倉が舞台になった「天国と地獄」は、残念ながら都合が合わず見に行けなかったのだが、昨日「赤ひげ」を鑑賞。黒澤&三船コンビによる最後の作品を、往年のファンらしき人でいっぱいの小さな上映室で楽しんだ。
展示コーナーには、三船氏が亡くなったときの黒澤監督の弔辞も。これはご本人がリハビリ中で葬儀には参列できず、ご長男が代読されたそうだが、独特の筆使いで巻き紙にしたためられたメッセージは、シンプルながら、はっと心を打つ。
そう、映画に行きた三船敏郎も、それを撮った黒澤明監督も、彼らは永遠に映画の中で生き続ける。
世界のクロサワとミフネ
監督 黒澤明と俳優 三船敏郎
鎌倉市川喜多映画記念館
2016年9月16日〜2017年1月15日まで
http://www.kamakura-kawakita.org/exhibition/lecture/
3 dic 2016