池田理代子ー「ベルばら」とともにー、日本橋高島屋 |
決めポーズでは、背後にどこから現れるのか満開のバラ、顔の半分を占めようかという目、瞳には星やビーズがキラキラ。かつて「少女マンガ」をやや揶揄するときに言われたその原点がここにある。
「ベルサイユのばら」、最近はどうかわからないけど、少なくともある年代以上のかつての少女たちで、これを読まずに育った人は少数派だろう。
今なお現役バリバリでご活躍の池田理代子さんのデビュー50周年というのも驚きだが、「ベルサイユのばら」が1972年から73年の、たった2年間の連載だったのにはもっと驚いた。もっとも私は連載されていた「マーガレット」ではなく単行本で読んでいたのだが、何度も何度も繰り返し読んだせいか、もっと長く続いた大連載だとばかり思っていたから。
その45年前の原画、あれもこれも、あ、これこれ、そうそう、という思い出の場面がたっぷり、びっしりと展示されている。ああ、ほんとに背中にバラが、そして目には星が。それがなんと美しいこと!!!雑誌や単行本の表紙用のカラー画はもちろん、白黒のページ、ペンとインクで描かれた1つ1つ、線の美しさ、ベタやアミアミの効果、ストーリー展開の迫力・・・といちいち目が釘付け。
合間合間には、宝塚歌劇団のシーンの写真パネルもあり、途中には衣装の展示もあり(そこだけ撮影可能)、そちらのファンの方も楽しめる。
今でこそマンガは、歴史からグルメに社会問題と、あらゆるジャンルをカバーするメディアになっているけれど、その時代に少女マンガ誌で歴史ものを始めた勇気にも脱帽。それも「絶対に当たる」という自信があったというのだからすごい。
展示は「ベルサイユのばら」が中心だが、デビューからそこにいたるまでの初期の作品、また「オルフェイスの窓」ほか「ベルばら」後から現在まで決して「ベルばら」だけでない池田理代子さんの魅力が満載。
潮工房展を見にいった日本橋高島屋で、足をのばしたついでにのぞいたつもりの「ベルばら」展だったら予想以上の充実ぶりに大満足!!!だった。
グッズショップの大充実ぶりにこれまたビックリ(笑)。
デビュー50周年記念展
池田理代子ー「ベルばら」とともに・
2017年3月8日〜3月20日
日本橋高島屋
http://www.takashimaya.co.jp/tokyo/event/syousai.html?id=8245
19 mar 2017