猛暑 |
暑い。
6月末から1週間ほど、日本に一時帰国した。梅雨のさなかとはいえかなり暑いとは聞いて覚悟はしていたものの、日本に到着してまず一番に感じたのは「暑い」だった。それもやはり、ともかく蒸し暑い。
帰る前のローマも暑かった。4月あたりからぐんぐん暑くなった昨年と異なり、長雨の続いた今年は、ちゃんと夏が来るのか心配してしまうくらいだったが、暑くなり始めたら早かった。6月の中旬に突然、真夏になり、あっという間に30℃を超えると、連日35℃前後をマークするようになった。以前はそれでも、日本より湿度はずっと低い(はずの)イタリアでは、日陰は涼しい、風が吹けば心地よい、朝晩は涼しい···はずだったのが、少なくとも今暮らしているローマでは、エアコンが普及してきたためもあるのだろう、ともかく、「暑いけど爽やか」などという状況ではなくなっている。昼間はとても、エアコンなしにはいられず(悪循環に加担し)、夜だってうっかりすると25℃を下らない、いわゆる熱帯夜だったりする。
そんなローマから帰国した梅雨の日本は、蒸し暑いと思っていたローマの「蒸し」は甘かった···としか言えない、圧迫感すら感じる湿度だった。マンションの中層階で風通しがよく、元々ほとんどエアコンを使っていなかった実家に、到着した途端に「除湿」を言い訳にエアコンをオンにした。
翌朝は大雨。梅雨というよりは台風のような暴風雨だったが、それでも、地元近辺では特に被害なども出ていない様子だったのは幸いだろう。西日本における天候の悪化を、テレビがひっきりなしに注意喚起していた。
結局、雨に降られたのはその日だけ。あとは連日日傘なしには外を歩くこともまままならない暑さになり、楽しみにしていた紫陽花は、どこも既に色を失ってカサカサになりかけていた。
1週間ぶりのローマもまた、さらに暑さを増していた。36℃、38℃は当たり前、来週には最高気温が40℃を超えることが予測されている。暑いのはローマだけではなく、イタリア全土に及ぶ。
トレヴィの泉をはじめ、ローマにある噴水で水に入ることはもちろんNGだが、ローマ市内にはそこここに、水が出っ放しになっている蛇口がある。「飲水は誰でもアクセスできるよう」という考え方によるものだそうで、飲用可能な普通の水道水が流れており、観光客らがペットボトルに水を入れているのを見かけることもある。日本からの観光客の方には、直接飲用にするのはあまりお勧めしないけど、結構冷たい水が流れているので、暑い時に、ちょっと手を洗い、顔や首筋を冷やしたりするのにありがたい。
猛暑のイタリアで推奨されるのは、できればもちろん、一番暑い日中に出歩かないこと。そして、熱中症予防に、こまめな水分補給、果物そしてジェラートの摂取。
日本もその後、さらに暑くなっていると聞く。日本でもイタリアでも、日常生活もバカンスも、そして特に、この炎天下やうだるような暑さの中で働く皆さま、くれぐれも無理のないようにお過ごしください。
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16 lug 2023