コペンハーゲンの夏・17〜夏の思い出 |
9月上旬のある日。たまたま家にいた時間に、大きな荷物が届いた。何だろう?と思って差出人を見ると、それはデンマークからだった。
今年の夏、いてもたってもいられなくなって、突然コペンハーゲンに行ったのは実は、大好きなロイヤル・コペンハーゲンで、絵付け体験教室があるのを知ったから。
夏の期間中の金・土・日、午前か午後、お皿かマグカップのコースが選べるようになっていた。会場は、町のど真ん中、あのすてきなショップの中にあるラボラトリー。
たった1時間半ほどのコースで、いったいどこまでやらせてもらえるのだろう、と思っていたのだが、ちゃんと本格的。ただし、お皿には下絵がえんぴつで写してあり、絵の具も既に準備されていた。
ブルーフルーテッド・メガの「本物」のデザイン。
(こちら、お手本)
いきなり中央のマルから描き始めたのには驚いた。青の染料はうんとゆるく、水彩絵の具にうんと水と混ぜたような感じ。筆も、普通に水彩で使うものとほぼ同じ大きさ、ただし、線を描きやすいよう、先が細くカットされている。それにしても、そもそも筆なるものを手にしたのはいったい何年ぶりだろう?手がうまく動かずに震える。しまった、せめて、ほんとにふつうの水彩絵の具で、少しでも筆の感覚を思い出してからくるべきだった、と思ってもすでに時遅し。いや、だいたい思いついたのが2日前で、来る前はさすがにそれどころでなかった。
一度、スケッチブックの上ででも練習したいところだが、1時間ではそんな余裕もあるはずなく、みんなどんどん、前に進んでいく。ええいっと描いた線のひどいこと・・・。
せめてせめて、直線やゆるい曲線から始めれば手が少しでも慣れていくのだが、この場合、もちろん中から描いていくのが鉄則。
先生はさすがに、器用にお皿をこちらに向けてささっと描いてみせる。
一方、にわか弟子たちはこんな様子。
夏休みシーズンだし、こういうとこだし、申し込みのサイトは英語だったし、てっきり外国人観光客ばかりだろうと思っていたら、意外にも、大半はデンマーク人だった。なので、先生も基本はデンマーク語。もちろん、わからないところは私にもう一度、きれいな英語で説明してくれたし、お隣の席のおばさまがちょこちょこっと教えてくれたりもして、ようやくできあがったのがこちら。
ロイヤル・コペンハーゲンのブルー・シリーズは、いわゆる「染付け」で釉薬をかける前、素焼きしたところに青の染料で描いていくので、やり直しがきかない。だが、ほんのちょっと、線からはみでたハネくらいなら、先の細い彫刻刀みたいな道具でそおっと削って「消す」ことはできる。もちろん、こういった染付けは、筆遣いそのものが魅力だから、その時点でやはり、どうしても不自然になってしまうけれど。
これで作業終了。
このあと、染料を十分に乾燥させ、釉薬をかけ、窯で焼いて完成。
ちなみに、左が、焼き上がりのお手本。焼成時にこれだけ縮むことになる。
教室の行なわれているラボには、ほかに、あのクリスマス・プレートやブルーフルーテッド、置物やカップなど、焼成を待つものたちが置いてあって、これを見るだけでもワクワク。
出来上がりまでだいたい1カ月。
そう聞いていたので、手元に届くのはもっとあとかと思っていたが、ずっと早く届いた分、サプライズだった。
焼いて色が濃くなっている分、ヘタクソぶりがより目立っているけど、それでもやっぱり、こうして手にするととっても嬉しい。
ちなみに、作業の最後に、裏に自分のイニシャルを入れるように、だけど、ロイヤル・コペンハーゲンのマークである、3本の波は入れないでね、と。
あああー来年はマグカップに挑戦しようか、それともペアでもう1枚お皿にすべきか・・・。
17 ott 2014
焼きものは、この段階ではかなり縮みます。蓋物や人形など、いくつかのパーツを組み合わせたものは、それだけピッタリ合わせるのが難しいんですよね。
ろくろも楽しそうですよね、私もなかなか機会がないのですが・・・。