ライク・ア・ヴァージンはヴェネツィアで・・・ |
この数日、何気なくつけっぱなしにしていたTVで何度聴いたことだろう。
はじめは、ああ、なつかしいな、くらいに聞き流していた。見るとヴェネツィアの映像なのでよくよく見て、あっと気がついた。歌っているのは、修道服に身を包んだ小柄な女性。
スオール・クリスティーナ(Suor Cristina)は、この夏、The Voice of Italy という、つまり「スター誕生」番組に登場し、話題をさらった本物の修道女。明るく伸びのいい声のポップソングと、修道服に首から十字架を下げた眼鏡の女性とのギャップは、さすがのイタリアでも衝撃的で、飛んだり跳ねたり絶唱する彼女の姿は、その番組を見ていなくてもニュース番組などで繰り返し報道され、一躍有名人となった。
http://video.repubblica.it/spettacoli-e-cultura/suor-cristina-like-a-virgin-a-venezia-il-nuovo-singolo/180824/179617
そのクリスティーナの初シングルとしてリリースされたのが、マドンナの「ライク・ア・ヴァージン」のリメイク。
最初にTVに出てきたときにも、賛否両論、つまり一部では非難轟々だったが、今回もまた、それはもう話題沸騰、つまりある一部の向きからは厳しい批判も起きている模様。もっともその話題性こそ、商用化する側としてはすべて計算のうちであろうけれど。
幸い、厳格なキリスト教徒でもないし、是非を問われれば、まあいいんじゃないの?と思える私は、音も絵も美しい映像を楽しませていただいている。
ちなみに、映し出される教会は、カナル・グランデ出口にある、サンタ・マリア・デッラ・サルーテと、サン・マルコ湾正面にすぐ見えているサン・ジョルジョ・マッジョーレで、俯瞰は主に、後者の鐘楼から。使っている建物は、ヴェネツィアの音楽院となっている、ピサーニ館で、これはこれである意味、挑戦というか挑発、なのだろうか?(笑)
今回のヴィデオの舞台にヴェネツィアが選ばれたのは、もちろん偶然ではないだろう。
おそらく当時、何十回も見ているはずの、本家本元マドンナの「ライク・ア・ヴァージン」のヴィデオは、このヴェネツィアを舞台にしている。ひょんなことでそれを知り、慌てて検索してみると確かに・・・!そのあとに出た「マテリアル・ガール」のプロモーション・ヴィデオは強い印象に残って今でも覚えているのに、こちらは全く記憶に残っていなかった。もっとも当時の私は、そもそもヴェネツィアという場所をとくに意識していなかったこともあると思う。
こちらはベタなヴェネツィア、サン・マルコ広場にゴンドラ、ライオンまで登場してしまうのにはビックリだが、いくつかの運河、橋を通って、たどりつくのはゼノービア館。一時はアルメニア文化会館として使われており、現在も彼らの事務所が置かれているが、主にビエンナーレなどの企画展会場として利用されているほか、中庭では結婚式などプライヴェートのパーティーも行なわれる。
イケイケ・ギラギラの80年代のマドンナと、モノクロで癒し系の2014年のクリスティーナと。今の気分は圧倒的に後者だけど、マドンナはマドンナでまたあまりにも懐かしく、交互に聴いて、見てみたりしている。
一番上の画像は、http://www.vanityfair.it/ より拝借。
24 ottobre 2014
Suor と聞くと、ついプッチーニの悲しいSuor Angelica を思い出してしまいますが、この陽性の声を聴くと悲しさが吹っ飛んでしまう・・・。今後どのように活躍するのか、大変興味があります。
なぜシスターになったのか、そのギャップがいかにもテレビ向きというか、ブレイクの理由なのでしょうね。商業的に飛びついたのもわかる気がします。