ムラーノ・ガラス博物館、リニューアル・オープン |
長らく改装工事中で、部分的にしか見学できなかったムラーノ島のガラス博物館が、ようやく大オープンした。
ムラーノのガラスの歴史と変遷を、時代を追って見せるという展示、建物は同じながらいろいろと手を加えて、確かに広々と、とくに採光を増やし明るくなった部屋で、長いときを経てここにたどり着いた1つ1つのガラスが、よりキラキラと輝いているように見える。
2階へ上がり、最初の大広間は、16-17世紀、ヴェネツィアのガラス黄金時代。
向かって左側の部屋が第1室で、こちらはローマやエジプト時代のガラスが展示されている。
広間から右奥は18世紀、ガラスの皮肉ともいえる、イミテーション・シリーズ。
当時はまだヨーロッパで製造することの敵わなかった磁器のほか、タイルや色大理石を真似たガラスが次々に「発明」された。
その次が、巨大なテーブル・センター・セット、そしてその奥には、さまざまなビーズの展示。ビーズについては、これもまたそれぞれは小粒ながら、ヴェネツィアの一大産業であったといえるのだが、それについてはまた別途、機会を設けたいと思う。
広間に戻ってさらに、ガラス危機の模索の時代、
復興の19世紀、
そして20世紀に入り、作家による「デザイン」作品が作られるようになる時代、と続く。
1階に降りて、現代作家の作品。
・・・んっ?だが、工事に入る前も、時代順の展示ではなかったっけ?・・・部屋の順番が変わっているだけで(しかも順路としては以前よりかえってわかりづらいような)、展示作品が増えているのかというと・・・そうでもないような。古代ガラスのところはどう考えても細かいものがずいぶん減っているし、近現代のところも、明らかに覚えのある作品がなかったりする。あと、以前は、ガラスの製法を説明したパネルの部屋もあったのだが・・・。
改悪、とまでは言うまい、展示自体は確かに今どき風になっているし、おそらく安全面だとかで改善されているのだろう・・・。
ところが、展示はここで終わりではなかった。(続く)
ガラス博物館
ヴェネツィア、ムラーノ島
Museo del Vetro
Murano, Venezia
http://museovetro.visitmuve.it/
22 feb 2015