まるでお菓子の家、ジェノヴァのサン・ロレンツォ大聖堂 |
ジェノヴァのドゥオーモ、サン・ロレンツォ大聖堂(Cattedrale di San Lorenzo)は、旧港(Porto Antico)からぐぐっと坂を上がったところにある。坂の町だけに、かつてヴェネツィア共和国と地中海の覇権を競っていた海の大国の割には、こじんまりとした広場に面して建つ聖堂は、フィレンツェやピサ、シエナなど、トスカーナの中世の聖堂とよく似て、色大理石による縞模様のファサードが美しい。
同じ場所に、紀元後5-6世紀に既に聖堂が建てられていたが、現在の建物は11世紀末に建てられたもの。1118年より司教座大聖堂に、以降も改築が続き、1307年から1312年の間にファサードが完成した。
内部の礼拝堂は、14世紀から15世紀の間にそれぞれ作られているほか、後陣、床、天井等は16世紀から17世紀にかけて完成。さらに19世紀末にも大幅な修復工事が行われている。
先日訪れた際、ちょうどこのジェノヴァでイタリア全国司教大会開催中で、主会場の1つである大聖堂の中や、その付属美術館は残念ながら見学できなかったのだが、外壁の大理石の装飾がかわいくって、なんだか「お菓子の家」みたい。彫刻もいいのだけど、こういう象嵌により、惹かれてしまう。
そしてさりげなく埋め込まれたレリーフも、なんとも愛嬌があってすてき。
海の町、ジェノヴァもやっぱりいい。
Cattedrale di San Lorenzo, Genova
19 set 2016