「空位の玉座」~銀座蔦屋にて |
2018年7月、パリ、ルーヴル美術館のガラスのピラミッドに巨大な彫刻作品「Throne」が展示された。このスペースでの展示は、アジア人で初めてという。高さ10メートル以上に及ぶその作品のミニチュア(といっても1メートル以上はある)「Throne (g/p_pyramid)」が、銀座蔦屋で現在展示されている。
古代エジプトの王家の墓を模して作られたガラスのピラミッド、その中に設置された祭りの山車とも、あるいは人と人が積み重なった組体操とも見える「玉座」、それらは実は映像と写真であり、その手前にレプリカとヴァリエーションが、書店の中の、書棚風の背景の前に並ぶ。
なにが本物でなにが偽物なのか。なにがアートで、なにがアートでないのか。オリジナルとは何か、コピーとはなにか。パラドックスに満ちた空間はしかし、お互いに探り合い、共鳴し合い、混沌というよりはむしろ「玉座」という絶対権力により、整然と支配されている。
ルーヴルでの展示は今月18日まで、こちら蔦屋は11日まで。
名和晃平「空位の玉座」
KOHEI NAWA
METAMORPHOSIS
Throne - Louvre Pyramid -
銀座 蔦屋書店(Ginza 6)
2019年2月5日~11日
https://store.tsite.jp/ginza/event/art/4168-1631541211.html
8 feb 2019