吉野山の千本桜〜あと少し・・・。 |
ああ、これが・・・。
一度は見てみたいと思っていた吉野山。まだ少し、満開には早かったけれど、それでも山を薄く染める千本桜の風景が確かに目の前に広がっていた。
京都から近鉄特急を乗り継ぎ吉野へ、そこからロープウェイに乗って山へ。今週のはじめ、下千本、中千本、上千本、さらに奥千本、少なくともその半分以上が満開の予想だったはずが、数日前からの寒の戻りで、上のほうはまだまだ。ようやく下千本のみが八割程度と状況は控えめに変わっていたが、それでも関西滞在最終日、行かないわけにはいかない。幸い、気持ちのいい青空が広がっていた。
降りたところでいきなり、あの「千本桜」の風景が広がっているのかと思いきや、そこからは案外、何も見えない。そしてなにより、「山」というからにはずっと山道を歩くものかと想像していたら、目の前にあるのは舗装された道路で、両脇にお土産もの屋さんや食べ物屋さんがずらりと並んでいる。・・・あれ?・・・ええと、これは・・・そう、江の島に似ている。江の島のように「エスカレーター」はないし、江の島ほど急坂でもない、貝殻もたこせんべいもサザエも売ってないけれど、にぎやかな観光地というのか・・・いやもちろん日本を代表する観光地であることは間違いないのだけれど。ああ、そうか、これも参道なのか。
道沿いや、神社仏閣、ちょっとした広場の桜が咲いて、それはそれぞれとてもきれいだけれど、でもそれだと、鎌倉や京都や、ほかのふつうのあちこちの街とあんまり変わらないような。何か疑問を抱えたまま歩いて、「桜の名所」の看板に促されて足を運んだ吉水神社で、この風景に出会った。
あ、ここだったのか・・・。
そうやって歩き続け、実は思っていたよりもかなり大変で(なにしろ車道なので)、上千本の上あたり、水分神社までようやくの思いでたどりついたのだが、小さなその神社のしだれ桜がそれはそれは見事で、疲れが吹き飛ぶかのようだった。
帰り道には、途中の金峯山寺蔵王堂で、国特別ご開帳中の秘仏本尊、めずらしい青い金剛蔵王大権現も拝ませていただいた。
最後はロープウェイに乗らず七曲りを歩いて下山。下千本の桜も上から下から味わって、丸一日これでもか!というほど桜を楽しんだ。
中、上の千本もこの週末あたりが満開になるとのこと。
まだまだもう少し楽しめそう、機会がある方はぜひ。
世界遺産 吉野山
http://www.yoshinoyama-sakura.jp
12 apr 2019